今回の記事は、トレードするにあたり、システムトレードと裁量トレードのどちらを採用しようか迷っている方に対して、私の経験から、その判断に役立てられる内容をお伝えします。
また、迷わずにシステムトレードに取り組まれていて、まだ結果が出ていないのであれば、その場合も「裁量トレード」への切り替えを強くお勧めします。
お勧めする以上、「何となく」ではなく、確固たる「経験と理論」に裏打ちされておりますので、その理由については、本文をお読みいただければと思います。
私の失敗談
当初の私の思考
私は経済的自由を達成するための手段として、トレードを選択した際、まずはシステムトレードを学ぶことにしました。その理由は「相場に一日張り付くのは嫌だったから」です。
トレードを学び始めると、おおよそどんな感じで売り買いするのかがイメージできるようになります。
トレードには、スキャルピングやデイトレード、スゥイングトレードといった種類があり、それぞれポジションの保有時間が異なります。
- スキャルピングは、一日の間に何回も小さい値動きを狙うトレード。
- デイトレードは、一日の間に出る中位の波を狙うトレード。
- スゥイングトレードは、数日から数週間の大きな波を狙うトレードです。
トレードを始めた当初は、トレード回数が多いほど利益額が大きくなると考えていたため、少なくともデイトレード、できればスキャルピングが行いたいと考えました。
そうなると、売買のチャンスが一日の間に何回かあったとしても、それを執行するためには、相場を監視していなければなりません。
でも、仕事もしていますし、そんなことは無理だと思ったので、それならばシステムトレードを組んで、売買をシステムにお願いすれば、構築するのは大変だとしても、人を無料で雇うようなものなので、そのほうが結果的に早いと考えたからです。
それから、勝てるトレードシステムを構築するために、様々なことをしました。
自分でプラットフォームを作る(VBA利用)
当初は、自分のスキルアップに繋がればと、ExcelのVBAを使ったシステムトレードのプラットフォーム構築を試みました。
やっとの思いで検証ができるプラットフォームを構築するに至り、過去の価格データを活用しバックテスト三昧の日々を送りましたが、簡単には利益が上がるシステムは構築できません。
それでも、検証するのが楽しくて、ずっとプログラムとにらめっこしていました。
そして、ついに右肩上がりの損益曲線が描けるプログラムを構築!
当時は、「やった!これで億万長者だ!」などと喜びに浸っていましたが、一回一回の売買ポイントなどを細かく見ていくと、何かがおかしい。
結果的には、自分のプログラムの時系列がおかしくなっていて、実現は不可能な売買プログラムになってしまっていました。
その後も、検証を続けるも、プログラム不具合の度重なる発見、価格データの精度不良、どれだけ新たな売買ロジックを組んでも、勝てるプログラムは一向に組めませんでした。
自分で売買ロジックを作成(メタトレーダー)
そして、自分でプラットフォームを構築しなくとも、他の会社が作ったプログラムを活用すればよいのではとの話になり、当時トレードステーションやメタトレーダーといったいくつかのソフトがあったのですが、広く使われていることや、価格データの入手しやすさを考慮し、メタトレーダーを活用していくこととしました。
メタトレーダーはMQLという言語を使ってプログラムを組むため、基礎を学び、自分たちで売買ロジックを組んで検証を始めました。
ですが、そもそもどのようなロジックを組めばいいのかが分からないため、トレードの基礎も同時に学び直していきました。
仲間内でやっていたので、全員で様々なロジックを検証しましたが、どれだけ組んで検証しても、利益が出せそうなシステムはなかなか構築できません。
既存の売買ロジックを活用(メタトレーダー)
少なくとも、すぐには利益がだせそうにないことから、まずは、自分たちではなく、プロに運用を任せたり、プロから学ぶといった方法をとることにしました。
そう決めてからは、様々なトレーダーや投資家の方を訪ねて、何とか新たな勝ち筋を見出そうと試みます。
そんな中、たまたまメタトレーダーの売買プログラムを何百と保有されている方と繋がることが出来たため、その方からデータを頂き、そういった売買プログラムの中で成績が優秀なものを選んでトレードしたり、その売買結果から学ぶことで利益を出せる状態へもっていこうという戦略を描きました。
しかし、それらの売買プログラムをどれだけバックテストしても、利益が上げられそうなプログラムはほとんどありません。
きれいな右肩上がりの曲線を描くシステムは、マーチンゲール手法を用いたプログラムばかり。(そのシステムは、いずれかなりの確率で破綻する魔のシステム)
最終的に、利益を上げられそうな売買プログラムは何百のうち数個しかなく、それらシステムに言えることは、すべてが売買回数が少ないデイトレードレベルのトレードをおこなうシステムでした。
すべてのプログラムをバックテストするにはとても時間がかかりましたが、これら選りすぐりの売買プログラムを万を持して稼働してみたものの、結果は惨敗。
これで、プログラムを使ったトレードシステム構築は、完全に挫折しました。
裁量トレードをお勧めする理由
よって、今でははっきり言えます。
最終的にシステムトレードを目指す人でも、「まずは裁量トレードに着手すべき」だと。
過去の経験からそう言えるだけではなく、裁量トレードを実施してみたうえでようやく気付いたことです。
その理由を説明しますが、例えば自動運転プログラムの作成を目指すとします。
プログラムを組むためには、まずは基本となるフローチャートが必要となりますが、実際に運転したことのない人が、そのフローチャートを作成できるでしょうか?
そもそもプログラムは、自分が指示したように動いてくれるため、自分がさせたい動きを分かっていないと、プログラムを組み始めることすらできません。
しかも、トレードで勝てるシステムを構築するというのは、運転に例えたら、「ただ車を動かせればよい」というレベルではなく、「しっかりと目的地に辿り着けるような自動運転」を構築する位の難易度になるはずです。
それなのに、運転したことがない状態で、いきなりプログラムから始めるというのは非常に効率が悪く、それであるならば、裁量で経験を積み重ね、勝てるようになってから、その経験を活かして売買システムを構築したほうが、圧倒的に早いでしょう。
運転したことがない人が自動運転システムを作るよりも、運転経験のある人が作ったほうがはるかに効率が良いことは明白です。
裁量トレードのメリット
いきなりシステムトレードを実施するというのは、視野も狭くなりやすいです。
システムトレードから裁量トレードに移行して実感したのは、
- 水平線が機能すること、また機能といっても、水平線を軸に色んな値動きを展開すること
- 急騰、急落の起点が、価格帯として意識されやすいこと
- サポート、レジスタンスラインは、基本的に2回試されること
- MA、フィボナッチ、トレンドライン、チャートパターン等は、意識されたり、されなかったりすること
- 相場にはセオリーとなる動きがあること
- そのセオリーを崩すときは、大きく動くこと
その他、多くの「何となく意識されている暗黙のルール」のようなものがあるということです。
こういったことは、実際に「様々な尺度」でトレードをしてみて、「あ~、これは意識されてるな~。」と分かったり、「こういう時は意識されにくいな」とか、感覚的に掴めてきます。
つまり、裁量トレードを行うということは、例えるならば、サーフィンにて波へ乗ろうとテイクオフを繰り返し練習するようなものです。
当然、始めはうまくできませんが、徐々に感覚を掴んでいき、成功率が上がってきます。
ですが、プログラムを組んでシステムトレードをどれだけ繰り返しても、「体では覚えられない」ため、一向に「相場の理解に繋がらない」んですね。
会社にてTPS(トヨタ生産方式)を導入した時、
ということを言われていました。
TPSは会社の業態にフィットしておらず、適合が難しかったことから好きではありませんでしたが、この点においてはその通りだなと思った次第です。
最後に
ちなみに、私はバリバリのシステム化大好き人間です。
繰り返し作業や単純作業は、極力自分でやりたくないと思っています。
そんな私が、実際にシステムトレードからスタートして、辿り着いた答えです。
是非これからスタートされる方については、人生の貴重な時間を無駄にしないためにも、効率的な戦略をとっていただきたいです。
また、もっと俯瞰してみれば、
そもそもトレードを採用すべきか?という問いとも向き合う必要があると思います。
私は、システムトレードの選択でも失敗しましたが、トレードを選択したこと自体が正解だったのか?ということを考えるきっかけとなる記事もありますので、是非こちらの記事もご覧いただければ幸いです。
これまでに培ったシステムトレードのノウハウは、今後、裁量トレードにおける「環境認識・エントリー時の監視、・ントリー後の状況監視・イグジット時の監視」に、部分的に活用することで活かしていきたいと思います。
以上、この記事があなたの人生の選択の助けになれば幸いです。
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